我が町にバイトテロを
「バーチャルな人混み」とは要するに「バズる」ことだけど、それを人混みとして見るならば、都市というのは常にバズっていることになる。渋谷のスクランブル交差点はバズり続けている。そのバズりを撮影するために集まる観光客達によってさらにメタ的なバズりも起きている。
このバズりはバーチャルではなく具体的な人混みによって表されるわけであるから、場所によっては時間区切りでバズったりもする。飲屋街は夕方からバズり出すし、ランチの激戦区は昼頃バズる。
ところで僕は4月から横浜の外れに住み始めた。この地域は本当にバズらない。飲み屋もないし、歓楽街もない。ベッドタウンなのだからむしろバズらないことがブランドなのかもしれないが、僕はこの状況が窮屈でたまらない。なにせ人混み好きなのだ。
しかしおかしいのは、バズる要素は十分にあるはずなのになぜこんなに平穏なのかということだ。僕はマンション街に住んでいて、1棟には概算で200弱の世帯が住んでいることになる。人口の密集度合で言えばハチ公前にも匹敵するかもしれない。要するにガソリンは満タンなのに火種がないのだ。
今こそ我が町にバイトテロを!きっと引火しないだけで火種は量産されているはずだ。それが公になればそれだけでいいはずだ。バカッターこそこの町に足りていない。陰険さよりも明るいバカを!80年代の終わりまでただの山だったこの地がたとえ炎上しようとも、誰も大して困りはしない。リセットがかけられるだけの話なのだ。その後この地には闇市でもできて、アンダーグラウンドな盛り上がりをみせてくれれば良い。