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  • たかはし

かわいいワンちゃんの話

 うちには犬がいる。名前はグリ。雑種。小さい。かわいい。

 さて私は夜中に目が覚めた。どんな夢だったかはうすらぼんやりとしか覚えていないが、夢の中でグリに鼻を舐められた。起きてみるとグリは私のそばにいない。我が家は私と私の両親の3人暮らしで、夜はグリが各寝室に出入りできる様にドアを開けている。私はグリに鼻をなめられたのだろうか。

 割と重めの睡眠障害を患っている私は、夜中に目が覚めるとしばらく眠れない。だからこういうことを書いているわけだ。で、行きたくもないトイレに行ってみたり、飲みたくもない水分を補給してみるために台所に行ってみたりする。そのときにグリはどこにいるのだろうかと探すと、だいたい私の両親のどちらかのそばで寝ている。さっきもそうだ。グリの睡眠の質も私と同じく非常に悪いようで、夜中に何箇所か寝る場所を変える。

 朝になって「グリ夜中に見たら(父さん・母さん)のそばで寝てたよ」と伝えることがある。私の両親はニヤニヤする。

 この夜のグリのような存在が幽霊と呼ばれる何かなのかと最近は考えている。私のそばにいたのかいなかったのか、それは私からはわからない。本人に聞いたって答えないし。ただ「見える人」は後から「実はあのときそばにいたんだよ」と伝えることができる。これはちょっと悪いことをしているみたいだ。覗き見ていたことを告白することと一緒だから。

 幽霊が見える人の中には、人に見えると伝えない人がいるらしい。あ、ちなみに私は全く見えない。見えないどころか以前、ある見える人から「たかはしは霊を浄化する」と言われたので多分これからも見えることはない。是非このまま見えないでいてほしいと思っている。ただ、さっきのグリを見て、人に「実は私見えるんだ」と伝えられない人の気持ちは、よくわかった。「あなたが気づいていないあなたを私、見ているんだ」と言うのと似ているからだろう。

 ...夜中に起きて眠れなくなっちゃったから仕方なく歩き回った末に、映画にうまいこと使えそうな小ネタを見つけることができた。毎晩こんなことを思いついていられれば悪い質の睡眠だって多少は可愛げのあるものになったかもしれない。

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